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【インタビュー】小西克幸「人間が嫌い」のなぜ 冠番組『人を好きになるラジオ』がリニューアル
4時間前
声優の小西克幸が、リスナーからのお便りを通じて「人間」を独自の視点で紐解く『小西克幸 人を好きになるラジオ』(ラジオ関西Podcastオリジナル番組、毎週金曜17:00頃、ポッドキャストサービスで無料配信)が10月よりリニューアルされた。
アニメ『鬼滅の刃』の音柱・宇髄天元役など、声優として長く実績を積んできた小西だが、意外なことに「53年間、人間があまり好きではなかった」と打ち明けるなど、人間関係には長年、煩わしさのようなものを感じてきたという。本番組では「なぜ人はコンビニで割り込むのか」といった他者の行動原理を独自の視点で紐解き、小西の人に対する見方や興味、日常トークが、肩の力を抜いた飾らない言葉で語られる。番組の聴きどころやラジオ活動について、小西に話を聞いた。
――単独でのラジオの冠番組は初めてと聞きました。この番組を始めるきっかけを教えてください。
小西:何がきっかけなのかは僕は分からないのですが、いつも一緒にお仕事をさせてもらっている青二プロダクションの小野坂昌也さんが、ラジオ関西さんで番組をやっていて、ちょいちょい僕の話とかをしてくれていたんです。それで一回だけ、小野坂さんのピンチヒッターで番組をやらせていただいたことがあって、真意は定かではありませんが、そういうご縁から、今回、お声がけいただいたと個人的に思っています。
――『人を好きになるラジオ』という風変わりなタイトルが、人懐っこそうな小西さんのキャラクターからは少し意外に感じました。
小西:どういう番組にしようかっていう雑談の中で決まったタイトルなんです。基本的に、僕はいろんなものに興味を持つというタイプの人間ではないので、「じゃあどうしましょうか」となった時に、「そもそも人間というものがあんまり好きじゃないんです」という話をしたら、このタイトルになったんです。
人間が何をして、どういう考えでそれを行うに至ったのかとか、どうしてその考えになったのかとか、そういうものに対して興味があったので、じゃあそこを軸に作れば、番組として面白いかもしれませんねって。
――社交的な人というイメージがありますし、小西さんが人嫌いというふうには全然見えないです。「人が嫌い」というのは、人との距離感とか、少し含みを持たせた「嫌い」ということなんでしょうか。
小西:いや、いや。申し訳ないんですが、人間が嫌いなんです(笑)。
――好きじゃなくなったきっかけは何ですか。
小西:それは説明すると長くなりますので割愛します(笑)
もちろん、生活していく上では、例えば食べるもの、着るもの、住むところ、仕事をする場所とかっていうのは、人の力がないと、一人では何もできないのは分かってますので感謝していますよ。
――声優さんとか役者さんの世界は協調性が重視されて、集団でいつも仕事をされているイメージがあるんです。
小西:ボーイスカウトをやっていたので、協調性はあると思います。人と協調して生きなさいみたいな、人それぞれ役割があって、生きていくためには何が必要で、何をしなきゃいけないのかとか、そういうのを一応いろいろと学ばせていただいたりはしていたんです。でも、それを経て、こうなってしまったんです。まあ、でもそんなこと言うと、本当にやばいやつみたいですね(笑)。
――このラジオを通じて、少しずつ人の見方が変わったということはないんですか。
小西:何も変わっていないです。基本的にそこは変わらないんだと思うんです。人といろいろと出会ってきて、僕ももう53歳です。よっぽど感銘を受ける何かがないと、考え方、感じ方はなかなか変わらない気がします。
――声優さんは人気商売で、僕からすると愛される職業ゆえに「人を嫌いになる」理由はあまりないんじゃないかと思ったりもするんです。
小西:声優といっても、本来は人間ですから、そこはあまり関係ないとおもいますよ。僕はあんまり人と会話をしないんですね。人とお話ししないから、普通の人がどういうふうに何を思ってるのかとか、よく分かりません。もちろん考えはしますけど、踏み込まなくていい場所だと思いますので。
だから逆に、こういうふうな番組をやらせていただくことによって、皆さんがどういうふうに僕のことを思っているかとか、僕が今これに関してはこういうふうに思ってますっていう、その議題というか、意見を挙げることによって、みんなが「私はこう思ってます」とか、「私も同じです。嫌いです」とか、いろんな意見をいただけるんです。それはこのラジオをやっていてよかったなと思う点です。
でもリスナーさんは、割と僕と同じ考えの人が多いです。「人付き合いが嫌なんです。どうしたらいいですか」みたいな質問をよく受けます(笑)。
――普段、家で過ごしている時はどうなんですか。小西さんのオフの時間って、どういう感じなんですか。
小西:どうなんですかね……。普段もあんまり変わらないかもしれないですね。結局、家に帰っても、僕らの仕事ってほぼ家でやる仕事が多いんですよ。それは何をやるかっていうと、事前に頂いた台本を読み込んで、自分なりに答えを作って、現場に行って答え合わせをしてっていう感じで。
だから現場に行ったら、正味3時間とか4時間でお話を録り終わって、でも家に帰ったら終わりではないという。同じ台本でも日によって感じ方も違うし、本番になるまでに毎日読み込むことによって、いろんな発見があったりするんです。家にいると今度はそれをやるんです。
あとはYouTubeで、先ほどちょっとお名前を出させていただきました小野坂昌也さんと二人でYouTubeをやらせていただいてまして。YouTubeで使うものを選定したりとか、その準備をしたりとか、なんかそういうので自分の時間がどんどんなくなっていっちゃったりするので、そういう意味ではオンオフがない生活をしているのかもしれません。
――YouTubeで番組を作ったりするので、クリエイター気質があるのかもしれないですね。
小西:そこもどうなんすかね。僕は誘っていただいた側なので。でも楽しくやらせていただいています。
――外に出た時はどんな過ごし方をしているんですか。役者さんとかは演技の仕事をしているので、人間観察が好きだとか、電車でいろんな人の会話に耳を傾けて、というような裏話を耳にしたりすることもあります。
小西:それは僕の場合、ちょっとどうでしょう……。朝、家を出るじゃないですか。車で移動するんですよ。自家用車で。スタジオに行って、スタジオで仕事して、終わってまた車に乗って、次のスタジオに行って仕事して、家に帰って、みたいな感じの繰り返しなので、ほとんど人に接しないんですよ。
だから現場で皆さんがお話ししてることとか、なんかそういうのを耳に挟むぐらいで、一般の方がどんな感じでいるのかみたいなのは、なかなか僕には届かないんです。
――演者として、外でのコミュニケーションの中にヒントを求めたりしないのですか。
小西:皆さん、自分のされている仕事の中で感じたものとか、経験したものを違うフィルターを通して出しているだけだと思うんです。役者とか声優とか、自分の体験、経験、見たことじゃないと想像して演じるのは難しいですし、みんな、それを変換して演技に生かしていると思います。
絵がない、声だけの物語だと、どこに人がいて、例えばこのラジオのブースがどこにあって、何人人がいて、誰がどこに座って、この人はここに座ってて、立場はどうでとか、その条件によって表現方法も変わったりするんです。そういうものを立体的にする作業は、やっぱり声だけだと難しいので、そこはなんかいろいろ経験して、蓄積がある人の方がやっぱり上手にされているんじゃないですかね。嘘の経験値ではないですから。
――声優さんの中で、過去に好きだった人、憧れた人っていますか?
小西:あんまりいないかもしれないです。結局、マイクの前に立ったら、先輩だろうが後輩だろうが、その役の関係性は変わらないので、だから気にしてもしょうがないかなっていう。先輩はもちろん先輩だし、後輩は後輩ですし。役者・人として両方にリスペクトはあります。
(取材・文:名鹿祥史)
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