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【インタビュー】小西克幸、何にも考えずに、僕が話したいことを話しているだけ……ラジオの冠番組に込めた思いとは

声優

ラジオ

4時間前

小西克幸

 声優の小西克幸が、リスナーからのお便りを通じて「人間」を独自の視点で紐解く『小西克幸 人を好きになるラジオ』(ラジオ関西Podcastオリジナル番組、毎週金曜17:00頃、ポッドキャストサービスで無料配信)が10月よりリニューアルされた。

 アニメ『鬼滅の刃』の音柱・宇髄天元役など、声優として長く実績を積んできた小西だが、意外なことに「53年間、人間があまり好きではなかった」と打ち明けるなど、人間関係には長年、煩わしさのようなものを感じてきたという。本番組では「なぜ人はコンビニで割り込むのか」といった他者の行動原理を独自の視点で紐解き、小西の人に対する見方や興味、日常トークが、肩の力を抜いた飾らない言葉で語られる。番組の聴きどころやラジオ活動について、小西に話を聞いた。

――20代の頃は、おじさん役が多かったと聞きました。

小西:そうですね。でもガヤ(固有の名前や明確なセリフのない「その他大勢」のざわめきやアドリブのセリフを指す業界用語)の仕事、周りの男1とか、女1とか、学生とかおじさんとか、いろいろあるんですけど、割とおじさんとか、渋めの役とか、きっとこれは声を低くした方がいいんだろうなっていう役を演じさせていただくことが多かったです。

 僕はデビューして8カ月後か1年後ぐらいに、一番最初に決まったレギュラーが『勇者王ガオガイガー』(1997年)っていう作品だったんです。その中で演じていた役は、諜報ロボットだったんですね。闇に潜むみたいな感じだったんで、割とこう渋めの感じでやっていたので、多分そういう役のイメージっていうのがつながって、仕事で呼ばれる時はそういう渋めの役が増えたんじゃないかなと思っています。

――声に大人の響きがあるので、それでそういう役が多かったのかなと思っていました。

小西:そのあたりは自分では分からないんです。聞いていただいて、皆さんに判断してもらうしかない。

――実年齢と違う役をやっても、声の深み、説得力が出せるのは、生まれ持った声の力が大きいんでしょうか。

小西:元々の声の力は強いと思います。皆さんそうだと思うんですけど、僕も養成所で少し発声を練習した程度です。ガチガチにボイストレーナーの指導を受けたという感じではないです。

――今回は冠番組で、しかも一人で30分間話さなければならない。声優さんの仕事の時は台本があって、演技をするわけですが、一人で決められた時間話す場合は、どういう工夫をしているんですか。

小西:素でやろうとか、そういう意識はゼロです。そういうのは全く考えてないです。元々トークも全然得意じゃないんです。自分のラジオなんで何喋ってもいいんで、今日は何しようかな、みたいな感じではあります。

――題材は事前に決めてスタジオに入るんですか。

小西:そうですね。でもありがたいことに、ここ最近はいろんなイベントだったりとか、自分のお仕事で皆さんに「この間こうでした」みたいなお話をするネタというか、そういう場がたくさんあったので、喋ることにはあまり苦労しないというか。ネタにはあまり苦労していないです。

 番組コンセプトというものも、あるにはあるんですけど、そこはあんまり気にしないでやっています。人を好きになろうとするとか。なんかそのゴールを作っちゃうと、あんま面白くないかなっていう思いがあって。

――役者生活を通して得た「人とはこうだ」みたいな哲学というのはありますか。

小西:ないです。僕の周りは10人いたら多分10人違う哲学で生きてる人たちばっかりなので。あんまり自分で決めつけちゃうと、自分が嫌いな人間になってしまうんじゃないかなと思って、あんまりそこは意識してないです。

――番組タイトルに話を戻すのですが、人間って意外といいかもしれないと思える時はどんな時ですか。

小西:人が自分のことを助けてくれる時です(笑)。それもでも嘘かもしれないって思ってしまうんですけど。自分のことを大事にしてくれる人は大事にしたいし、お世話になってる人には、それはもちろん恩返ししたいしっていうぐらいのスタンスですかね。

――逆にファンの人から、なんで「人が好きじゃないのか」とか聞かれることってありますか。

小西:どうだろうな。でも小西さんはそういう感じなんだって、前から思われていると思います。ずーっと昔から言ってるんですよ、「人間が嫌いです」って。

 テレビとかからも「人間が嫌いだっていうふうにお聞きしたんですけど、うちはその人間が嫌いな人が集まってやる番組なんですけど、出ませんか?」とか、そういう問い合わせがあったりとかします。僕が「人が嫌い」というのは、皆さん、周知の事実であるような気がします。「なんでですか」というより、「私もそうです」「一緒ですね」っていうリスナーさんの方が多いです。

――今の時代はコンテンツも多様化していますが、ラジオの持つ魅力、可能性についてはどのように分析されていますか。

小西:ラジオに関しては、今の感じでいいんじゃないんですか。今はインターネットがあって、アプリがあればどこでもラジオを聴けるんです。ラジオが昔より聴きやすい世の中になっているので、特に何かを変える必要はなく、今のままでいいと僕は思います。

 でも、ラジオをする人に対しては、できるだけラジオに興味のある人にやってほしいとは思っています。下手でもいいんで、ラジオで喋るっていうのが楽しいって思いでやってほしいなと思います。

――小西さんは声優とか、役者とか、ラジオのパーソナリティとかYouTuberとか、立ち位置は決めずに活動しているという感じですか。

小西:興味があればそれをやるというスタンスです。やる側もお願いした側も、無理にやってもいいことは一つもないじゃないですか。まあ、一回はやってみるけど、それで違うなと思ったらもうやらないということが僕は多いです。

――この番組を聴いている人に、どんなところを聴いてほしいと思いますか。

小西:何にも考えずに、僕が話したいことを話しているだけ。皆さんが興味を持ってくれれば、僕が話してることをちょっといろいろ調べてもらったりとか、僕個人にも興味を持っていただけるとうれしいです。

 一人でラジオをやるっていうのもなかなか成立しないので、できれば皆さんから、どんなものでもいいので、お便りをいただいて。「私はこういう人間です」っていうのを教えていただけるとありがたいです。個人的に「あ、こういう人がいるんだ」というのがたくさん知れてうれしいんです。

 基本的にうちはコーナーがありません。だから何を送っていただいても構わないんです。はがきも送っていただいていて、今、「はがき、いいね」って話になっていて、皆さんの手書きのはがきがもっと見てみたいです。はがきを見て、どういう人なのかなと想像するのがすごく楽しいです。

(取材・文:名鹿祥史)

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