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『ESCAPE』大石庸平は第7話をどう見たか?

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2025/11/23 06:00

機微の積み重ねと、大きな展開の融合――
実は第1話から提示されていた“誰を信じられるのか?”というテーマを、大きなドラマチックとともに、今回は鮮明にしてくれたのだ。

「テレビ視聴しつ」室長・大石庸平は「ESCAPE それは誘拐のはずだった」第7話をどう見たか? ※第7話のネタバレを含みます

桜田ひよりと佐野勇斗が主演を務めるドラマ『ESCAPE それは誘拐のはずだった』の第7話が、19日に放送された。

本作は、誘拐事件をきっかけに、人質の結以(桜田ひより)と誘拐犯の大介(佐野勇斗)が、なぜか2人で逃避行を続けることになるというヒューマンミステリー。

このドラマは、“逃避行”という大きな枠組みの中で、その道中で生まれる出会いの尊さや感情の揺らぎを丁寧に描いてきた点こそがアイデンティティーだった。とくに象徴的だったのは第5話だ。“逃げた距離”こそが“逃避行”をドラマチックに彩るはずなのに、物語の半分を大介の元カノ・莉里(影山優佳)の部屋におけるやりとり“だけ”で成立させたのだ。大きな展開がなくともキャラクターの厚みによって惹きつけることができる。その自信と胆力がこの作品には備わっているのだ。

しかし今回の第7話は、これまでとは対照的に、様々な事象が動き出す回となった。
結以と大介の別れ、慶志(北村一輝)の焦燥、万代(ファーストサマーウイカ)の献身、結以の出生の秘密、ガン(志田未来)の再登場、動画配信者“まぁみぃ”(加藤千尋・髙塚大夢)の葛藤、白木(山口馬木也)の接触、山口(結木滉星)のたくらみ――そのどれもが劇的で、最終章へ向けた加速を強烈に感じさせる内容だった。

だがそんな大きな動きを見せた中であっても、根底にあったのは、「誰を信じられるか?(あるいは、信じられないのか?)」 という、丁寧な機微だ。

(C)NTV

結以と大介は親を信じられず、血縁を超えた信頼関係を築いてきた。またそれは、第2話のネグレクトを受けていた少年の星(阿部来叶)を救う場面によって、ただの恋愛感情ではない、“家族以上の家族”を強調することとなり、今回の終盤であっさり元に戻ってしまう様子も、“恋愛”だけでは感じ取れない爽やかさがあった。

一方、万代は追跡役というドラマ上での単なる役割を超え、慶志の中にある“信じられる何か”を見ようとし続けた存在として描かれた。そしてガンは結以と大介が見せてくれた“青春”を、白木は“ジャーナリズム”を、山口は“金”を信じているのだろう。さらに、結以が大介と別れた後にアルバイトを始めたエピソードでは、店主の坪井(猫背椿)から、“知ること“と“信じること”は同じではないという視点も提示された。

興味深いのは、動画配信者“まぁみぃチャンネル”の2人の変化だ。当初は“バズること”や懸賞金のために動いていたはずが、“生身”に触れることで、いつの間にか“あの2人を信じる側”へと変わってしまった。虚実が入り乱れるSNSの時代の曖昧さと、人間の本質を映し出しているようでもあった。
さらに、結以の特殊能力“さとり”というSF的な視点で、触れて見えた“色”は信じられるのか?”という新たな問いも立ち上がり、“信じること”の多層性を実にカラフルに描き分けている。

そしてただ一人、慶志だけが深い孤独の中で“何も信じられなくなっている”。その不信こそが物語を混迷へ導き、逃避行を続ける2人を、そしてドラマ全体をかき回す原動力となっている。

クライマックスへ向かうドラマは時に、作品の信念を曲げてまでドラマチックを優先してしまうことがある。しかし本作は、物語を大きく動かしながらも、描くべきテーマを決して手放さなかった。機微の積み重ねと、大きな展開の融合――“誰を信じられるのか?”という、実は第1話から提示されていたテーマを、大きなドラマチックとともに今回は鮮明にしてくれたのだ。

【日テレドラマ公式YouTube】
【ESCAPE それは誘拐のはずだった】ドラマ第7話ダイジェスト
https://youtu.be/zqMvsdLqayU

■第8話あらすじ
「ご自身が何者なのか、知りたくありませんか」――。誘拐事件をきっかけに逃亡生活を続けていた八神製薬の社長令嬢・八神(やがみ)結以(ゆい)(桜田ひより)と誘拐犯・林田大介(はやしだだいすけ)(佐野勇斗)。結以の父・八神(やがみ)慶(けい)志(し)(北村一輝)が倒れたことを知る由もない中、それぞれが前を向いて一歩を踏み出そうと、大介は自首することを決心した。 しかしその矢先、結以と大介の前に、八神家の闇を追い続けてきた週刊誌記者・白木(しらき)(山口馬木也)が現れた。

「握手しませんか」と結以に手を差し出す白木。「握手をすると分かるんですよね、私のことが。“さとり”ですよね?」。白木にそう言われ、結以は自分の能力が“さとり”と呼ばれていることを初めて知る。白木が言うには、“さとり”は八神家の血を引く者だけに遺伝する能力で、結以の祖父・八神(やがみ)恭一(きょういち)(間宮啓行)も同じ力を持っていたという。八神家の養子になった結以の父・慶志と結以の亡き母は、当然“さとり”を持ってはいない…。それなのに、2人の子であるはずの結以がなぜ“さとり”を持っているのか?…結以の生物学上の親は、一体誰なのか?白木はこれまで調べてきた情報を基に、結以の出生の真実を明かす…!
衝撃の事実を知ってしまった結以は激しく動揺…。「私なんて……生まれてきたのが間違いだったんだよ」――絶望に打ちひしがれパニックに陥った結以は、“絶対にしてはいけない選択”を選ぼうとする――。

そしてついに、もう一人の“さとり”持ちである恭一の娘、霧生(きりゅう)京(みやこ)(富田靖子)が現れる!「あなたたちの運命を狂わせたのは、私…」彼女が告白する“一族の呪われた過去”とは――!?
さらに、大介を逆恨みする誘拐犯グループの1人・山口(やまぐち)健二(けんじ)(結木滉星)は、大介の母・智子(野波麻帆)を拉致監禁!「助けてほしけりゃハチを連れてこい」と、結以と母親の交換を迫る!!
前を向こうと決心した結以と大介を、運命と宿命の渦が、いやおうなしに飲み込んでいく――。

◆「ESCAPEそれは誘拐のはずだった」
毎週水曜よる10時~11時
(C)NTV

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