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『パン恋』第4話「テレビ視聴しつ」室長・大石庸平はどう見たか?

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2026/1/31 06:00

今夜9時、上白石萌歌と生田斗真がW主演を務める日本テレビ系土曜ドラマ『パンダより恋が苦手な私たち』第4話が放送される。

今回、描かれる悩みのテーマは、「自分らしさとは何か?」。
仕事の現場で求められる“正解”と、本当は譲れない“自分の表現”。
さらに、恋愛は本当に必要なのか、今は仕事に全力を注ぐ生き方もあるのではないか―
第4話では、そんな価値観の揺らぎに、登場人物たちそれぞれの立場から向き合っていきます。

そんな第4話の楽しみ方について、「テレビ視聴しつ」室長・大石庸平はこう語る。

今作が“ラブコメ”と謳いながら、既存のどの作品とも違う手触りを感じてしまうのは、主人公・一葉(上白石)というキャラクターの“異質さ”に集約されている。

通常、ラブコメのヒロインといえば、恋や仕事に一喜一憂し、常に人生に対して“前のめり”であるのが相場だ。しかし、一葉はどうだろうか。第1話で真樹(三浦獠太)との恋があっさり終わっても、ことさら落ち込む様子は見せず、あろうことか今でもダラダラと同居を続けている。つまり彼女にとって恋愛とは、人生を華やかに彩る“熱源”ではないのだ。真樹との関係が続こうが終わろうが、どちらでもいい。彼女は、自分の人生において徹底的に“流されている”のである。
そしてそれは仕事においても同様で、雑誌編集者という、個性が武器になるはずの職業に就きながら、彼女は常にやり過ごし、誰かに与えられた役割を淡々とこなしている。ここでもやはり一葉は、“流されている”。 決してやる気がないわけではないのだが、情熱がほとばしるほどでもない。かといって現状に絶望するわけでもない……。一葉はまさに、今多くの人が感じているに違いない、適温すぎて向上心が湧かない=“凪(なぎ)”の状態をリアルに写し出しているのだ。

しかし、前回の第3話で一葉の“個性”が鮮やかに提示された。それは、超変人の椎堂司(生田斗真)やアリア(シシド・カフカ)が自然と一葉へと巻き込まれていったように、圧倒的な“人を巻き込む力”だ。彼女は確かに“流されている”。けれど、そんな“流されたその先”で、最大限の魅力を爆発させるのである。それは計算された戦略ではなく、彼女が“やり過ごす日々”の中で無意識に育んできた、しなやかな生存戦略だったのかもしれない。

つまり、今作は“流されている”ことを決して欠点として描くのではなく、むしろ“流されたその先”を肯定する物語なのだ。この一葉の受動的なスタンスこそが、従来のラブコメフォーマットを鮮やかに突き崩している最大の要因なのだろう。

ところが、である。
今回の第4話において、一葉はまだそんな自分の資質に気づいていない。せっかく自分の武器の輪郭が現れ始めたというのに、依然として「自分らしさとは?」と悩み続けている。 けれど、それこそが本作の本質だ。自分の良さほど自分では見えにくい。そんな人生の足踏みとも言える贅沢な時間を、他者や動物たちの生き方を通して描いていく。今作はまさに、動物たちと対比した、これまでにない“人間”ドラマなのだ。

そんな第4話の恋愛相談は、「真面目で落ち着いた人がタイプなのになぜかチャラ男にばかり言い寄られる。好みのタイプを振り向かせるには?」という、いつものように些細な悩み。 しかし、そこから物語は、アリアの一刀両断、椎堂司(生田斗真)の動物学的知見、そして一葉の代弁を通じて、“自己表現”することの意味を鮮やかに深掘りしていく。

また今回、そのテーマの象徴としてスポットが当たるのが、一葉の友人でありカメラマンの環希(仁村紗和)だ。これまで一葉を支える側にいた彼女が抱える葛藤もまた、安易な“ラブコメ”には落とさない決着を見せる。意外だけれど納得のいく、でも少し切ない……そんな結末にぜひ注目してほしい。
そして最後に、一葉に訪れる“変化”についても触れておきたい。 これまで彼女にとっての真樹との恋は、“停滞”の象徴でしかなかった。しかし今回、一葉は椎堂という理解不能な存在への微かな“恋”という流れに呑み込まれそうになる。けれどそれも、彼女が“流された”結果なのだろうか。これまでの“凪”が、人生を動かす“本当の熱源”に変わっていくのか? その予感にも注目したい。

今回もまた、登場人物たち、そして私たちの不器用な背中をそっと、けれど力強く押してくれる回に仕上がっている。一葉の“流される先”に何が待っているのか。今後も見逃せない。

■第4話あらすじ
「最近、時々考えるようになった。人間の恋愛について。君のせいだな」――。仕事も恋もどん底の編集者・柴田一葉(上白石萌歌)は、イケメンだけど変人動物学者の椎堂司(生田斗真)に見つめられて心臓バクバク!もしかして私…恋してる!?冴えない自分とイケメン准教授が釣り合うわけがないと思いつつも、司のことばかり考えてしまう一葉。先輩編集者・紺野幸子(宮澤エマ)と友人のカメラマン・橘環希(仁村紗和)の前でもニヤニヤしっぱなしで…。
一方の橘は「この世から、恋愛なんて滅亡しろ!」とご機嫌ナナメ。先輩カメラマン・山下翔(野村周平)から告白された橘は、尊敬する山下が仕事に恋愛感情を持ち込んできたことが許せないのだ。女としてじゃなく、一人のカメラマンとして見てほしいのに、上司からも女というだけで仕事を制限され、回ってくる仕事は物撮りや風景ばかり。橘のフラストレーションは爆発寸前で…。そんな恋愛不要論者の橘とは対照的に、紺野はマッチングアプリで知り合った和菓子職人と付き合うことになり、「久々に恋愛してみて、その素晴らしさがつくづく分かったわ」と恋愛にどっぷり。恋愛って必要?それとも不要?2人に挟まれた一葉は分からなくなってしまう…。
そんな中、毒舌カリスマモデル・灰沢アリア(シシド・カフカ)のゴーストライターとして恋愛相談コラムを書く一葉に、婚活中の20代女性から悩み相談が。『真面目で落ち着いた人がタイプなのになぜかチャラ男にばっかり言い寄られます。ちゃんとタイプの男性に好かれるようにするにはどうすればいいの?』。一葉はアリアに意見を求めるものの、話の流れでアリアの全盛期に触れると、アリアは突然、不機嫌になって無言になり…。気になる一葉は、アリアがモデルの仕事をしない理由をマネージャー・宮田真悟(柄本時生)に聞いてみるが、うまくはぐらかされてしまう…。
アリアに話を聞きそびれてコラムが進まない一葉に、鬼の編集長・藤崎美玲(小雪)がまたもムチャぶり!まったく興味のない山登りの企画を押し付けられた一葉は途方に暮れて――。
自分らしさって何だろう?自己表現ってどうすればいいの?その答えは……ハリネズミのダンスに学べ!

◆『パンダより恋が苦手な私たち』
2026年1月期土曜ドラマ
毎週土曜よる9時から放送
第4話:2026年1月31日(土)
推奨ハッシュタグ #パン恋
(C)NTV

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