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『23区』の新業態フラッグシップストア、ヒントは「推し活」?ヒトとヒトとの結びつきに注目!
2026/3/25 15:42
オンワード樫山が、3月23日(月)、レディスブランド『23区』において「SALON 23区 Aoyama Flagship Store オープン記念 記者発表会」を開催した。
本イベントは、『23区』の新業態フラッグシップストア「SALON 23区 AOYAMA」のオープンを記念して実施された。旗艦店が提供する価値についての紹介に加え、近年の女性アパレル市場の変化や生活者のマインド変化を踏まえた『23区』の考え方や、今後の展望について、オンワード樫山 第一カンパニー副カンパニー長 執行役員 秋山 亜希から説明があった。温暖化による季節の二季化や景気低迷によるアパレル市場の変化に『23区』はどんな戦略で立ち向かうのか。そこにはこれまでの店舗のあり方の見直しと、「モノ」から「コト」へと流動する消費傾向に合わせた工夫があった。
なぜ、新店舗「SALON 23区 AOYAMA」をオープンさせたのか、まずその背景について秋山から説明がされた。
『23区』は30年以上「真面目で丁寧なものづくり」を心がけ、最前線に立つファッションスタイリスト(販売員)の尽力もあり、多くの顧客から愛されてきた。
一方で、テナントでの店舗展開が主軸のため「お客さま自身にたまたま見つけてもらうのがこれまでの主流でした」と振り返る。受け身の姿勢を脱却し「ブランドの今と未来を自由に発信できる、本店と呼べる店を一からつくり上げていきたかった」と、同店立ち上げの理由を話した。
加えて「『23区』を共感できるファッションコミュニティーを、お客さまとブランドでともにつくりたかった」とも。顧客やブランドの店頭・内部チームが一堂に会する場として同店を活用し、立場を超えた交流・情報交換により、よりブランド力を高めていく狙いがあると秋山は話した。「オンワードグループ100年目の記念すべき節目のタイミングに合わせ、これからの『23区』のあるべき姿として成長するためのチャレンジをしていきたいと思います」。
こうした戦略策定の背景として、『23区』は、近年のアパレル市場の変化の特徴のうち、大きく二つのポイントに着目した。
■二季化・消費を踏まえた物販環境の変化について
こうした戦略策定には、近年のアパレル市場の変化が影響している。温暖化による季節の二季化(夏・冬)や景気低迷の背景から、衣料品ニーズとしての消費は下落が続いている一方、近年では「推し活」文化の影響やサステイナブル(持続可能)意識の浸透などから、「自分が納得できる価値」にお金を落とす傾向が顕著になってきているのだ。
■今後求められるのは「モノ」ではなく「コト」
また、「モノ」から「コト」へと消費の傾向が移るなか、リアル店舗に求められるのも「体験」。『23区』でもこの潮流を意識し、「モノを売買する場」を超えた「ブランドを介したコミュニティーの場」としてリアル店舗を活用していく。
店舗ではこれまで、ファッションスタイリストと顧客の関係のみで形成されていたが、今後は「黒子」の立場だった内部社員も合流。それにより、ステークホルダー(利害関係者)のつながりをより堅固なものにしていく狙いがある。「商品の魅力を、つくり手からダイレクトに伝えると同時に、顧客ニーズを直接体験できるブランドコミュニティーを形成し、より強い商品力、ブランド発信力につなげ、お客さま中心の経営をめざしたい」と秋山は話す。

■旗艦店が担うこれからの役割
そうしたブランド戦略のなか、新しい青山の旗艦店の役割は何か。それは、<1>長年のものづくりで培った確かな品質と価格優位性の商品と、<2>店舗での人と人とのつながり──この2つを起点に、これまでの「テナント頼り」を脱却し、100%の自活集客を実現することだと考えている。
■接点の変化に対応する旗艦店の取り組み
「インショップの制約を超えた旗艦店として『23区』の哲学を五感で伝える空間やおもてなしイベントを構築し、既存顧客のロイヤリティー向上に加え、インバウンド(訪日外国人客)を含む新規客層に対し、同時のプレミアムな経験を提供していきたい」と秋山。さらに、「洗練された空間デザインや商品の魅力が伝わりやすいVMD陳列、ブランドの世界観と店舗の心地よさにとことんこだわり、一から作り上げたこちらのショップにてたくさんの方に『23区』に触れていただければ幸いです」と話した。
最後に秋山は「『SALON 23区 AOYAMA』を通じて顧客体験が共感やコミュニティーを生み、新たな『23区』のファンを創出してくれることを期待しています。また、『23区』を好きなすべての人同士の接点として新たな気づきを生み、よりブランディングに磨きがかかること、そして人と人との結びつきが循環することで、次の30年のブランドの未来と顧客を創造すると信じて、これからも成長し続けていきたい」と場を締めくくった。

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