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篠笛の“呼吸”を音楽に刻む――狩野泰一『WORLD PEACE』発売中!

音楽

2026/4/26 15:42

WORLD-PEACE ジャケ写

 篠笛の“呼吸”を音楽に刻む――狩野泰一『WORLD PEACE』が発売された。
 10年にわたりステージで育てられてきた音楽が、いまひとつの作品として世に放たれた。篠笛奏者・狩野泰一の最新アルバム『WORLD PEACE(ワールド・ピース)』が、4月8日(水)に発売された。

■篠笛の響きに立ち返った最新作

 本作は、篠笛という日本古来の楽器が持つ「呼吸」や「揺らぎ」、その響きそのものに深く向き合った作品である。世界30カ国以上で演奏を重ねてきた狩野泰一が、音楽を通して見つめ、感じ続けてきた感覚を、「平和・やすらぎ・共生」というテーマのもとに結晶させた。全13曲はいずれも、約10年にわたりライブで演奏を重ね、時間をかけて磨き上げられてきた楽曲だ。
篠笛と和太鼓を音楽の核に据え、そこにピアノが静かに呼応する編成は、音と音のあいだに豊かな奥行きを生み出す。旋律やリズムを誇張するのではなく、互いの音が空間に溶け合いながら進んでいくその佇まいは、聴く者の感覚を内側へと引き込み、静かな集中を促していく。

■音の奥行きを描く、深度あるアンサンブル

 和太鼓を担当するのは、元「鼓童」の中心的奏者として世界的に活躍してきた金子竜太郎。その一打一打は、篠笛の旋律を支える土台としてだけでなく、音楽全体に時間的・空間的な深みを与えている。ピアノには、ジャズを軸に多彩な表現を続ける林正樹が参加。旋律を前に押し出すのではなく、音の余白や陰影を丁寧に描き出すことで、アンサンブルに静かな崇高さをもたらしている。
 さらにアルバムには、ギタリスト・柴田亮太郎とのデュオによる楽曲も収録された。篠笛とギターという最小限の編成が生む密度の高い音の対話は、アルバム全体の流れに呼吸の変化をもたらし、聴き手の感覚をより深い場所へと導いていく。

■佐渡島と東京で体感する、音に身を委ねる時間

 本作の発売を記念した全国ツアー「篠笛×和太鼓×ピアノ」~和洋融合の響き~ CD『WORLD PEACE』発売記念全国ツアー 2026も、5月より全国各地で開催される。
 中でも注目されるのが、狩野泰一の拠点である新潟県・佐渡島での公演だ。5月17日(日)、アミューズメント佐渡 大ホールにて行われるこのステージは、長年にわたりこの地で音楽と向き合ってきた狩野にとって、特別な意味を持つ公演となる。作品の根底に流れる時間感覚や土地の記憶が、最も自然なかたちで立ち上がる一夜となりそうだ。
 また、6月24日(水)・25日(木)には、東京・六本木 GT LIVE TOKYOにて2日間の公演を開催。
 狩野泰一(篠笛)、金子竜太郎(和太鼓)、林正樹(ピアノ)によるトリオ編成での演奏に加え、ステージ背面の270インチLEDビジョンでの演出もあり、これまでのコンサートではみられない演出も予定されており、没入型の体験ができることも期待される。さらに、東京公演は両日ともライブ配信を予定しており、会場と配信それぞれのかたちで音楽に心酔できる機会となる。
 音が立ち上がり、空間を満たし、やがて静かに消えていく。その一連の時間すべてが体験として共有されるライブの場で、『WORLD PEACE』の音楽は、録音とは異なる輪郭を持って聴き手の前に現れるだろう。
 音は、いま確かにここにある。
 狩野泰一『WORLD PEACE』は、篠笛の呼吸を通して、音楽を「体験する」ことの深さを静かに提示する作品だ。

プロフィール

左から、林 正樹、狩野泰一、金子竜太郎、柴田亮太郎

狩野泰一 Yasukazu KANO
(篠笛奏者、篠笛講師、音楽プロデューサー)
1987年「鼓童」に参加し1997年に独立。佐渡島に暮らしながら「篠笛」の新たな音世界を創って2005年にメジャーデビューし、多くのCD、楽譜集等を出版。これまで世界30カ国で2,000回を超える公演をし、音楽プロデュースも手がける。祭りを再興し、篠笛を広めるため、日本、世界各地で篠笛を伝え『篠笛 KANO メソッド』、ライブ等のYouTube動画も展開。南こうせつ、サリナ・ジョーンズ、中西圭三、河村隆一、等共演者多数。鼓童研修所講師。

金子竜太郎 Ryutaro KANEKO
(和太鼓・チャッパ奏者、講師)
1987年より「鼓童」で中心的プレーヤーとして20年間活動し、作曲・演出も手がける。坂東玉三郎氏演出『アマテラス』では音楽監督を務めた。2007年独立。世界6大陸43カ国で公演。1988年、チャッパの独自奏法を考案・体系化し、現代の奏法として広く伝播。自然体で叩く「ゆるみ打法」を確立し、太鼓と人の本来の響きを追求しながら、国内外で1万人以上に指導している。鼓童研修所講師。

林 正樹 Masaki HAYASHI
(ピアニスト、作曲家)
自作曲を中心とするソロでの演奏や、「間を奏でる」「林 正樹グループ」など自己のプロジェクトの他、ジャズを中心に、小野リサ、渡辺貞夫、椎名林檎など様々な音楽家とともに演奏活動を行っている。NHK大河ドラマ『べらぼう』『光る君へ』の劇中音楽の録音にも参加。作曲家としては、2021年公開の映画『すばらしき世界』(監督・脚本:西川美和、主演:役所広司)の音楽を担当し、第76回毎日映画コンクール音楽賞を受賞。

柴田亮太郎 Ryotaro SHIBATA
(ギタリスト)
1975年東京生まれ。10代よりギターを始め、ポピュラー、ジャズ、クラシックを経て17歳でフラメンコギターに転向。1995年より5年間スペイン留学、マドリードを拠点に演奏活動を行い各メディアにも取り上げられる。帰国後はフラメンコを軸にジャズ、サルサ、ポップスなど幅広く活躍。作編曲、CM・TV出演多数。2022年にオリジナル作品集「Roundabout」を発表。現在はソロ活動と後進育成にも注力。

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