ニュース ニュース

【甲子園】好投手を次々攻略した智弁和歌山、「5試合2失点」の健大高崎も崩す?決勝の行方を読む

スポーツ

5時間前

阪神甲子園球場

 第108回全国高校野球選手権大会も、いよいよ決勝を残すのみとなった。智弁和歌山-健大高崎。ここまでの戦いを振り返ると、最後に残った2校は対照的な勝ち上がりを見せている。

【動画】横浜・織田翔希からホームランを打った智弁・楠本…ベスト4対決

 智弁和歌山は準決勝で横浜を7-1で破った。準々決勝で仙台育英から11点を奪った打線は、この日も勢いを止めなかった。

 横浜は中1日でエース・織田翔希が先発。準々決勝では123球を投げて花巻東を完封していた。この日は初回からストライクとボールがはっきりするなど、万全とは言い難い立ち上がりだった。

 それでも智弁は初回から2安打を放ち、織田に25球を投げさせた。横浜に1点を先制されても、3回には無死一、二塁から山田凜虎の二塁打で同点。続く楠本龍生がカウント2-0から152キロの直球を右翼席へ運ぶ3ランを放ち、一気に試合をひっくり返した。

 振り返れば、智弁は初戦から好投手との対戦が続いている。

 社戦では150キロを計測した岩井秀耶を相手に接戦をものにした。敦賀気比戦では2年生左腕・辻琉成を前に7回まで無得点。それでも8回に追いつき、延長11回には一挙5点を奪った。準々決勝では仙台育英から毎回18安打11得点。そして準決勝では織田を攻略した。

 速球派だけではなく、左腕に抑え込まれる時間も経験した。それでも試合の中で攻略の糸口を探し、最後には勝ち切ってきた。この積み重ねは決勝でも大きな材料になりそうだ。

一人を攻略しても終わらない健大投手陣

 ただ、決勝の健大高崎は少し事情が違う。
一人の好投手を攻略すればいいわけではないからだ。

 天理との準決勝は、またしても1-0だった。先発・佐藤麻恩が7回1/3まで天理打線をほぼ封じ、北田莉玖、石田翔大へと継投した。

 9回には二死二塁から内野安打、四球で満塁。一打逆転というところまで追い込まれたが、最後にエース・石垣聡志を投入。関村偉千陽を空振り三振に仕留め、虎の子の1点を守り切った。

 佐藤が好投していた中で投手を代え、最後は石垣まで使った。結果だけを見れば1-0だが、投手陣を動かしながら最後の最後で勝利を手繰り寄せた一戦だった。

 これで健大は今大会、八幡商に7-1、東海大甲府に1-0、佐野日大に4-1、有明に1-0、天理にも1-0。5試合で失点はわずか2。打線の爆発こそないが、投手力と守備、機動力を生かし、接戦をものにするしぶとさは際立っている。

 決勝のポイントは、智弁打線がこの投手陣にどう対応するかだろう。

 石垣だけを見ていればいいわけではない。佐藤、北田、石田翔と、次々に目先を変えられる可能性がある。智弁はここまで好投手との対戦を重ねてきたが、健大は複数の投手で9回を組み立てることができる。

 一方で、その継投が必ずしも盤石とは限らない。天理戦では佐藤が抑えていたところから継投に入り、最後は二死満塁まで攻め込まれた。投手が代わることで、試合の流れが変わる可能性もある。

 智弁としては、一人の投手を完全に打ち崩す必要はない。横浜戦で織田に初回から25球を投げさせたように、簡単にアウトにならず、健大ベンチを動かしていく。そして継投で目先を変えられた時に、どこまで早く対応できるか。敦賀気比戦のように抑え込まれる時間が続いても、終盤まで食らいつけるか。このあたりが大きなポイントになりそうだ。

 そして、もう一つ気になるのが智弁の投手起用だ。

 横浜戦で和気匠大は8回1失点。決勝で先発するのか、登板するとしてどこまで任せるのか。長井心海、久葉亮太らも控えているだけに、和気だけに9回を託す必要はない。

 泣いても笑っても、これが最後の一戦だ。

 翌日の登板を考える必要はなく、健大も智弁も使える投手をつぎ込める。ここまで球数や登板間隔を考えながら戦ってきた両校だが、決勝は文字通りの総力戦になる。

智弁が勝つなら「先に主導権を握る」

 その中で、今回は智弁和歌山が勝つと予想する。

 健大の5試合2失点という数字は強烈だ。特に0-0、あるいは1点差のまま終盤へ入れば、今大会3度の1-0をものにしてきた健大の勝ちパターンになるだろう。

 だからこそ、智弁としてはできるだけ早く主導権を握りたい。

 序盤から相手投手に球数を使わせ、継投を引き出す。そして先制できれば、さらに次の1点を狙う。健大を「1点を守る野球」ではなく、追いかける展開に持ち込めれば、試合の様相は変わってくる。

 ただ、智弁の強さは先行逃げ切りだけではない。

 社戦、仙台育英戦では先手を取り、敦賀気比戦では7回まで無得点、2点を追う展開から8回に追いついて延長戦を制した。準決勝の横浜戦でも初回に先制を許しながら、3回に織田を捉えて一気に逆転した。

 先に点を取る試合もあれば、追いかける展開からひっくり返した試合もある。しかも、その過程でタイプの違う好投手と対峙してきた。

 決勝では一人の好投手ではなく、健大自慢の投手陣が次々と立ちはだかる可能性が高い。それでも、ここまで試合の中で相手投手に対応し、勝ち筋を見つけてきた智弁なら、最後もその継投を攻略できるのではないか。

 最後は、智弁和歌山がわずかに上回ると見る。

高校野球ウォッチャー・浜風夏人

コメントを書く

コメント
名前

※誹謗中傷や名誉毀損、他人に不快感を与える投稿をしないように十分に注意してください

関連記事