特集 特集

【インタビュー】梶裕貴が語る『サイボーグ009ネメシス』の現代性「今の時代とリンクしている」

声優

アニメ

5時間前

梶裕貴

 声優の梶裕貴が、2026年7月配信の新作アニメ『サイボーグ009ネメシス』で、サイボーグ009/島村ジョー役を務める。

 島村ジョーは石ノ森章太郎による不朽の名作『サイボーグ009』の主人公。『サイボーグ009 ネメシス』では、ジョーをはじめとする「001」から「009」という9人のゼロゼロナンバーサイボーグだけでは世界を安寧に導くことはできないと信じる9人のサイボーグ集団『ネメシス』が現れ、ゼロゼロナンバーサイボーグたちと対峙する。

 梶にインタビューを行い、島村ジョーを演じる意気込みや新作『サイボーグ009ネメシス』への思いを聞いた。

原作から受けた衝撃「今の時代とリンクしている」

――石ノ森章太郎が描いた『サイボーグ009』の世界観に触れて、改めて、どのようなことを感じられましたか?

 ゼロゼロナンバーサイボーグたちは、人種も、国籍も、生い立ちも、それぞれ違います。ジョーも、日本人の母親と外国人の父親のもとに生まれています。

 今でこそ「多様性」という言葉や意識は一般的になってきていますが、これまでの日本の文化には、どこか「みんなで足並みを揃えることこそが美学であり、そこから外れるのは和を乱すという者」というような風潮があったように感じられていて。そんな空気感の中で、個が目立った表現や力を発揮するのは、少し難しい側面もあったのではないかと思うのです。

 しかし、1960年代に描かれ始めた『サイボーグ009』では既に、背景の異なる9人がお互いの個性を尊重しあい、力を合わせて戦っていました。今回、あらためて石ノ森先生の原作に触れ、不思議なほど今の時代とテーマがリンクしていることに衝撃を受けましたね。

令和の時代に配信される『サイボーグ009ネメシス』の新しさは?

――『サイボーグ009ネメシス』の「新しさ」や「現代性」は、どのようなところにあると思いますか?

 シリーズとして初めて、ゼロゼロナンバーサイボーグと対になる、9人の新世代サイボーグたちが登場します。「同じサイボーグたちが、同じく9人でぶつかり合う」というところがすごく刺激的で、魅力的な設定だなと感じました。加えて、ネメシスの顔ぶれを見てみると9人中5人が女性で、まさに今の時代を反映した構成になっているのかなと。

 ありがたいことに近年、欧米やアジア諸国をはじめ、中東や南米など、世界中で開催されるイベントにご招待いただく機会が多いのですが、そこでも地域問わず、アニメというコンテンツが「誰もが等しく楽しめるもの」として存在していることを肌で感じます。それこそ言語や宗教、文化など様々な垣根を超えて、みんながひとつになれるような計り知れないパワーを持っているのではないかと、本気で思います。『サイボーグ009ネメシス』という作品にも、そんな可能性を強く感じますね。

シリーズ未見の人も楽しめる『サイボーグ009ネメシス』、まずは楽しんでほしい

――『サイボーグ009ネメシス』の配信を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

 シリアスな物語ではありますが、肩肘張らずに楽しめる上質なエンタテインメントであることに変わりはありません。まずは難しいことを考えずに、ワクワクドキドキしながら本編をご覧いただけましたら幸いです。これまでのシリーズファンの方にはもちろん、本作で初めて『サイボーグ009』に触れられるという方にも、間違いなく楽しんでいただける内容になっているかと思います。

 そのうえで、作品を受け取った方それぞれが、「自分の中にある正義とは何なのか」、「自分が今すべきことは何か」を見つめ直すきっかけになったら素敵ですね。もしかするとその問いは、原作者である石ノ森先生が作品の中で表現されてきたメッセージにも通じているのかもしれません。

サイン色紙を読者プレゼント

【梶裕貴プロフィール】

梶裕貴(かじ・ゆうき) 声優。2004年デビュー。主な出演作に『進撃の巨人』(エレン・イェーガー役)、『MAO』(摩緒役)、『僕のヒーローアカデミア』(轟焦凍役)、『名探偵プリキュア!』(ジェット先輩役)など。史上初となる2年連続で声優アワード主演男優賞を受賞。その声は、人の脳や心に癒やしを与える「1/fゆらぎ」の響きを持つと分析されている。

2023年、声優活動20周年を機に音声AIプロジェクト「そよぎフラクタル」を発足。AIによる声の無断利用問題に対し、公式ツールを通じたクリーンなテクノロジーの活用と権利保護の両立を提唱。2026年には株式会社FRACTALを設立し、代表取締役社長CEOに就任。音声AI事業と声優マネジメントを展開し、声の権利を守りながら表現の未来を探求し続けている。

※前編は「演じること」、後編は「作品論」に完全にテーマが分かれるため、読者にも違和感なく読んでもらえる構成になっています。

コメントを書く

コメント
名前

※誹謗中傷や名誉毀損、他人に不快感を与える投稿をしないように十分に注意してください

関連記事